2016年03月29日

中東におけるロシアの勢力が上昇・ロシアの刑務所

アメリカのオバマ政権は、朝鮮半島が過度に緊張状態にあるし、政権も終盤に近づいているせいもあって、中東をロシアにお任せするという雰囲気になっているので、プーチン大統領もシリアから主要部隊を撤退しようとしているらしい。

そのことによって欧米とロシアの関係がある程度改善されるのではないかという希望がある。

しかしながら、シリアの反政府組織は160以上もあるし、クルド人の地区もあるので、それらのすべてがアサド政権のもとにおとなしく引き下がるということは考えにくい。

ISとの闘いも続いているので、中東は混とんとした状態が続くだろう。

その中でロシアがどのような役割を担っていくのか、もう少し様子を見てみることにする。

さて、今回のテーマに入ろう。

現在ロシアには死刑が行われていない。
しかしながら、悪いことをした奴らは人民によって処刑されることがある、ということを以前の記事に書いた。

法律などくそくらえという国民性がある。

例えば、信号のある横断歩道の信号が緑になっても数台の車が止まらずに走りすぎることがしょっちゅうだから、歩行者が道路を渡ろうとしてすぐに歩き出すことはできない。

歩行者が車に遠慮しなければならない国なのだ。

日本と違って車の運転手は人をひくことを恐れていない。。。

さて、人民による処刑の話に戻ろう。

死刑がないから、危険な殺人鬼やテロリストも終身刑にしかならない。

しかし、生かしておいてはならないと思えば、人民が処刑するということがにあるのは明らかだ。
それは「シャバ」だけでなく刑務所の中でもある。

刑務所の中で何が行われているか私には知るすべもなかったのだが、読んだ書籍や記事などから判断すると、次のようなことが言える。

テロリストに関して言えば、生きているのか死んだのか、どこに埋葬されたのか、家族さえ知ることができない。

死刑が廃止されているとはいえ、財政がかなり苦しいロシアが、国民の敵であるテロリストを国民の税金を使って一生食べさせてやったりするだろうか?

ロシアの刑務所に入ることは、かなりリスクがある。

独房なら別だが、数人で一緒に住まなければならない場合は、他の囚人に殺されたり危害を加えられたりすることがある。

特に、婦女暴行やロリコンの犯罪者はひどい目に会うらしい。

犯罪者にもそれなりのプライドがあり、上記のような犯罪を犯した人間を軽蔑する傾向がある。

そういう事実を知りながらも、刑務所の職員が囚人たちの安全のために気配りをするというようなことはない。

上からの命令があれば、刑務所の職員、あるいは囚人が刺客となることさえある。

とにかく、刑務所の中では何が起こるかわからないし、囚人の命や健康に何か起きたとしても、刑務所側や国が何らかの責任を負うということはありえないし、囚人の家族は事実として受け入れるしかないというのが現状だ。

ロシアの刑務所の食事や衛生状態なども、他の先進国に比べて、低いレベルにあるらしい。

要するに、当然のことながら、ロシアの刑務所にはなるべく(絶対に)入らない方がいい。



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posted by ブルーベリー at 08:58| Comment(0) | ロシア事情 | 更新情報をチェックする

2016年02月09日

ロシアのテロ対策

ロシアの経済はかなり危機的な状況になってきている。

主要なファクターは3つある。

1.ルーブルの米国ドルやユーロとの為替レートを見ると、最近では1ドルが90ルーブル近くまで、そして1ユーロが100ルーブル近くまで迫ったことがあるほど、ルーブルが暴落している。

2.ウクライナ問題に端を発した欧米と日本による経済制裁。

3.ロシアの主要な収入源である原油の価格が暴落。


もちろん、ロシア政府には、そういうときに援助するための特別な基金があるが、このままでいけば、2019年にはその基金の金が枯渇してしまうという。

いくら強硬なプーチンでも、危機感を感じずにはいられないはずだ。

欧米や日本との関係改善が必須になっている。

また、欧米や日本にとっても、ロシアとの関係改善は必須だといえる。

まず、欧米にとってはISや中東問題の解決にロシアの協力が必要だ。

ISといえば、2月7日、ロシアのエカテリンブルグ市でISの戦闘員7人が拘束された。
彼らは、ロシアや中央アジア諸国の国籍を持ち、モスクワやサンクトペテルブルクなどでテロを計画していた。

ロシア国内でのテロがうまくいったらシリアに行ってISに合流する予定だったという。
ロシアは欧米やトルコなどの有志連合とともにISへの空爆を続けているので、ISはネット上でロシアへの報復を宣言しており、すでにエジプトからサンクトペテルブルクに飛ぶ旅客機を撃墜した。

だからロシアでは、空港や地下鉄駅を初めとして、人が多く集まる場所などでの警戒が強化されている。

しかし、IS撲滅に向けて一見関係が改善されているように見える欧米とロシアの間には、波乱が絶えない。

アメリカもロシアも世界のリーダーになりたいのだから、友好関係になれないのは当然のことだろう。

両国ともシリア領土においてISへの空爆を行っている点に関しては協力していると言っていいのだが、アサド政権を支持するロシアが、欧米の支持するシリア反政府軍をも空爆しているらしいという疑いが欧米側には強い。

ロシア政府はもちろん否定している。


また最近では、英国内務省の公開調査委員会が、2006年にロンドンで起きたリトビネンコ氏の暗殺事件について「おそらくプーチン大統領が承認した」と発表したのだった。

リトビネンコ氏は、FSB(ロシア連邦保安庁)の元スパイで、FSBの幹部やプーチンを批判していたため、命を脅かされるようになり、妻とともに英国に亡命していたのだが、2006年に放射性物質「ポロニウム」によって毒殺された。このポロニウムはロシアでしか生産されていない。当時イギリス当局が容疑者(実行犯)と見ていたアンドレイ・ルゴボイは事件後すぐにロシアに帰国して記者会見に応じ、自分の無実を確言した。

ルゴボイをイギリスに送還しろという英国政府の要求にロシアが応じなかったことは言うまでもない。

その後ルゴボイ氏は、殺人の嫌疑をかけられるどころか、ロシア下院議員にさえ選出され、あのジリノフスキー氏率いるロシア自民党に入党している。

約10年前に夫が暗殺されてから、リトビネンコ氏の未亡人マリーナが、「夫の暗殺にはロシアのトップが絡んでいることは確実なので調査を続けて欲しい。」と英国政府に強く依頼し、今回英国内務省の10年間の調査結果として、イギリスの首相が、「リトビネンコ氏の暗殺をプーチンが承認していた。」と世界に公表するに至ったのだ。

これに対してロシアのラブロフ外相は、「英国はリトビネンコ氏の殺人事件を政治的に利用しようとしている。」と強く批判した。


さて、最後にロシア国内でのテロの可能性に関して言えば、ロシアにはイスラム系の民族が多数住んでいるので、テロリストを見分けるのは困難なようにも思えるが、防衛と諜報活動に関してはアメリカと並ぶ世界一のレベルをもっているせいか、ロシア国民がテロの不安に駆られているような雰囲気は全く感じられない。

まあ、安心しているというよりは、運命主義者が多いので、死ぬべきときはどんなに用心しても死ななければならないのだという覚悟ができているため、あまり将来に関してびくびくするようなことはないのだと思う。



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posted by ブルーベリー at 10:18| Comment(3) | テロ対策 | 更新情報をチェックする

2015年12月26日

ロシアの冬に思う

今回は政治のテーマを離れて、ロシアの冬について私の思いを綴ってみる。

本日12月26日から1月10日まで、子供たちは冬休みだ。

だからうちでも騒々しい日々が2週間以上続く。

子供たちにはできるだけPCを近づけないようにしたいのだが、そのためにはいろんなところに気晴らしに連れて行かねばなるまい。

ヨーロッパロシアでは比較的暖かな冬が続いている。

雪のない新年を迎えそうだ。

ロシア人にとっては雪のない暖冬は物足りないのだが、私にとってはうれしい限りである。

子供のときから寒いのは大嫌いだ。

特にマロース(酷寒)は耐えられない。

うちの子供たちはハーフでロシア生まれなので、マロースでもよく外に出かけ、雪の中を駆け回ったり、氷の滑り台を滑り下りたり、公園の凍った池でスケートをしたりと、大はしゃぎだ。

彼らが、「寒いなー!」などと言っているのを聞いたことはない。

私にとって寒さは、惨めさや貧しさを連想させる。

それは、寒いところで育つ作物は少ないし、人々も寒いときは活発に活動する気になれないし、顔もかじかんで笑うこともむずかしい。


私自身に関して言えば、寒いとものぐさになり、冬ごもりしたくなり、外出する用事を先延ばしにして何もせずに時間が過ぎてしまうことが多い。

現にロシアでは、寒さのためにウォッカを飲みアル中になる人が多い。
もちろんアル中になるのは寒さのためだけではなく、恒常的な金欠という問題を抱えている人たちが多いという状況がある。

また、ロシアでは喫煙者が多いのだが、彼らは自分の家では喫煙しない。

通りを歩きながら喫煙している人が多いし、帰宅してから喫煙する場合でも、冬は外に出たくないので、マンションの踊り場で喫煙する人が多く、その煙がわれわれのマンションにも侵入してくる。

ロシアは寒いので、ドアも窓も二重になっているのだが、それでもたばこの煙は部屋に侵入してくる。

うちでは誰もたばこを吸わないのに、こんな風に健康を害されるのは腹立たしい。

マロース(酷寒)のときにバスでどこかに行かなければならないことがあるとまさに悲劇である。

なぜなら、バスやトロリーバスの頻度がかなり低いので、バス停にずっと立っていなければならず、凍えてしまうからだ。

また、寒いと肉類や甘い物がたくさん欲しくなり、体型の問題も深刻になってくる。。。

西欧にいたとき、ベジタリアン生活を数年続けたことがあるが、ロシアの冬を体験すると、動物蛋白なしで生きるのは危険な気がする。

それでも我が家では牛肉や豚肉はめったに食べないが、魚介類と鶏肉と七面鳥の肉と卵は食べるようにしている。

日本食が体にいいのは世界的に有名だし、うちでも日本的な食生活を取り入れようとは思っているが、なにせスーパーで売っている食材はほとんど輸入品なのだから、新鮮さという点は問題である。

それでもロシアでは随分前から醤油や豆腐の製造販売をしているし、味噌や海苔やワカメも中国や韓国からの輸入品があるが、納豆がないのが残念だ。

大豆は探せばありそうなので、納豆を自分で作ることができるかどうか、ネットで調べようと思っているのだが、簡単ではないだろう。。。 多分無理だろう(涙)

いずれにしても、暖冬は日本育ちの私にとっては喜ばしいことだ。

ただ、地球の温暖化が環境に悪い影響を及ぼすことは承知している。

だから、ほどほどの暖冬であればよいと思う(笑)。


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posted by ブルーベリー at 10:30| Comment(0) | ロシアでの日々 | 更新情報をチェックする